スヴァールバル諸島を巡る北極圏クルーズ:ホッキョクグマとツンドラの花


スヴァールバル諸島を巡る1週間のクルーズに参加した。スヴァールバル諸島は北極点から1000 kmほどしか離れていない。ノルウェーに属するのだが、ヨーロッパ大陸の遥か北にある。夏の初めには海氷が広範囲に残り、ホッキョクグマやセイウチを見ることができる。

利用したのはリンドブラッド・エクスペディションズのナショナルジオグラフィック・エクスプローラー。南極クルーズでお世話になり、素晴しい経験をさせて貰った船である。旅の拠点にしたのはノルウェーのオスロで、クルーズの前後にフィヨルドも見る計画だ。

リンドブラッド・エクスペディションズから配られれた資料を利用して、スヴァールバル諸島の位置を示しておこう。


2017年6月14日、オスロからSASのチャーター便でロングイヤービエンに飛んだ。この町はスヴァールバル諸島の主島、スピッツベルゲン島にあり、世界最北の町だ。短い観光の後、すぐクルーズ船に乗り込んだ。船は南下して、翌15日にホルンスンに達した。沢山の壮大な氷河が海に流れ落ちている。交通の便がいい所にあれば、これだけで立派な観光地となるだろう。


時々、氷河が崩れ落ちる。


ここでは多くの海鳥に出会った。写真は氷河の面に群れるミツユビカモメである。


ゾディアックに乗って崖に近づいた。たくさんの鳥が営巣している。

多いのはミツユビカモメだ。


ハシブトウミガラスも。



船は今度は北へ進み、16日朝にはマグダーレナ・フィヨルドに着いた。風光明媚な場所である。

私たちはゾディアックで上陸した。浜にはユキホウジロがいた。

ゾディアックで、寛いでいるセイウチの群れを見に行った。


昼頃、マグダーレナ・フィヨルドを出発した。空が晴れてきて、フィヨルドの景色はさらに美しく見えた。


こちら側の景色もいい。



船は北緯80度線を目指して北上を続けた。いよいよこれからホッキョクグマを探すのだ。景色は荒涼として、いかにも北極の雰囲気だ。海氷が現れ、だんだんと厚くなってきた。ホッキョクグマは海氷の上に棲んでアザラシを狩る。ホッキョクグマが居そうな状況である


遠くにホッキョクグマが見つかった。しかし寝ている。少し待って船はさらに進んだ。また寝ているクマが見つかった。もう夜の10時だが白夜なので、観察に問題はない。待っていると別のクマが現れ、どんどんと近寄って来た。


クマは船に超接近して、私たちを見上げた。美味しそうな匂いがするのだろう。アザラシを食べたばかりなのか、顔が汚れている。


しばらくして、クマは去って行った。しかし、その方向には寝ているクマがいる。


寝ていた大きなクマは起き上がり、近寄ってきたクマと対峙した。そして雪を被った氷の上を歩いて船の方にやってきた。綺麗なクマだ。


暫く船を眺めて去って行った。素晴らしい時だった。2頭のクマが相次いで船に接近するのは珍しことだそうだ。


船はさらに進んで北緯80度線を越えた。行く手には、びっしり氷が張っている。ここで船は反転して南下した。

6月17日。ベルスンに上陸し、トナカイの群れとヒメウミスズメの営巣地を見た。

6月18日、スピッツベルゲン島の東側を北上しStorfjordenに入った。海は穏やかで海面への空と雲の映り込みが見事だ。



ハシブトウミガラスの群れが飛んでいく。


シロナガスクジラが現れ、尾を上げて潜水した。


氷の上にセイウチがいた。


アップにしてみた。


遠く氷の上を、霧に隠れるようにメスのホッキョクグマが急ぎ足で歩き去って行った。子連れで、オスのクマから逃れているのだ。オスはしばしば子グマを殺すからだ。


船がさらに北へ進むと氷が増え、出会うクマの数も増えていった。

クマが何か食べている。多分アザラシだろう。


若いクマが海氷の上を歩いていた。海氷であることが、はっきり分かり満足な写真となった。


さらに進むと、またホッキョクグマがいた。背後には氷河が光を浴びていた。この壮大な空間を、ホッキョクグマは旅しているのだ。


6月19日、船は北上を続け、Barents島とEdge島に上陸できた。Edge島のツンドラをハイキングしていると、ホッキョクギツネに出会った。見つかったかと走り去って、遠くから私たちを見つめていた。



6月20日、南下して引き返し、ホルンスンを再訪した。ホルンスンも広いから、訪ねる場所は違っている。まずゾディアックでクルーズした。氷塊の上にキョクアジサシのメスが居て、そこにオスがプレゼントを持ち帰った。キョクアジサシは、季節に応じて北極と南極の両極地方に棲むので、最も長い距離を移動する生物の1つとされている。





午後には上陸してハイキング。上の写真の様に、壮大な空間を行く。

海を隔てた氷河が綺麗だ。



ツンドラがピンクに染まっている所がある。ツンドラの桜だねとガイドが言った。


近寄ってみた



直径1cmほどの花が満開だ。



ムラサキユキノシタかその仲間だろう。


黄色や白色の花もあった。


ゾディアックで船に帰る途中、パフィンが見つかった。パフィンはオウムのようなクチバシが美しい鳥で、3種に分かれる。ここに棲むのはニシツノメドリである。ニシツノメドリは大西洋側に広く分布し、その中でスヴァールバル諸島の鳥は大きいことで知られている。しかし、このクルーズでは、ちらと遭遇しただけだった。そのニシツノメドリをゆっくり見て、写真撮影できたのは、とても嬉しかった。


6月20日、ロングイヤービエンに帰って来た。また短い観光をして、オスロへ飛んだ。

スヴァールバル諸島クルーズは、南極クルーズ、ニューギニア島クルーズと同様に、素晴らしいものだった。

このクルーズについては、4トラベルにも発表していますので、ここでは写真を中心の総集編とし、クルーズ全体を味わって頂けるようにしました。詳しい旅行情報は4トラベル(https://4travel.jp/travelogue/11262451など)をご参照ください。









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